沈黙の春

「センス・オブ・ワンダー」という1冊の本にこめられた
メッセージを伝えている活動について、神奈川県で
お話をする機会をいただきました。

それに先立ち、著者レイチェル・カーソンの代表作
「沈黙の春」についてまとめてみたいと思います。

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レイチェルカーソンは、海洋生物学者として研究をする傍ら
「化学物質をこのまま使い続けると春になっても鳥も鳴かない
沈黙の春 がやって来る」と警鐘を鳴らしました。

これにより、アメリカ合衆国は農薬の使用について大転換の決断をしました。

この事実だけが一人歩きし、レイチェル・カーソンとは
農薬の使用について全面的に反対した、というイメージが大きく
「レイチェルの大虐殺」などというとんでもない言葉が耳目を集めたこともありました。

しかし実際にはレイチェル・カーソンは次々と強い農薬を作り出し
むやみにまき散らすのではなく弱い農薬を最小限の使用で効果を出す方法を
考えるべきだと訴えたのです。

また、害虫だけに向けられたはずの農薬も、食物連鎖により、
その毒に汚染された虫を食べる鳥の体内にも蓄積され、死に至らしめるように
動物や植物を通して人体にも蓄積される危険を訴えたのです。

レイチェルはむやみに反対をしたのではなく、害虫の天敵を増やしたり
害虫が増えすぎないようにする自然な方法を提案しているのです。

「私たちの住んでいる地球は自分たち人間だけのものではない」

レイチェルは生涯独身でした。
我が子彼の子の区別なく人類の未来に希望を求め

1962年9月27日
「私たちはいま 分かれ道にいる」と著しました。

世界は一時期、正しい道を模索したかに見えましたが、
半世紀が過ぎた今、私たちは誤った舗装道路をひた走っています。

経済最優先 消費者よりも生産者を優先する体制が作り出す
嘘や誤ったイメージを払拭ししなくては
緑豊かで光あふれる未来はない、と考えています。(井上)